ベイトリールのカスタムハンドルを交換するとき、非常に悩むのが長さです。
ギア比との適切なマッチングを考慮しないと、逆にバランスを崩す事もあります。
適切なカスタムハンドル長を考えます。
目次
純正ハンドル長は短い

純正ハンドル全般に言えることは、全体的にやや短めで、ロングハンドル化するカスタムが主流です。
しかし、ギア比や、やりたい釣りによって、変更後のハンドル長をしっかり考慮する必要があります。
純正ハンドル長はよく考えられた長さである

少し短め、と言いましたが、純正ハンドル長は、非常によく考えられて設定されています。
カスタムでハンドル長さを変えるのは、そのバランスをわざわざ崩すという事。
当然、用途によってはより扱いやすくなり、その逆で、使いにくくなる事もあります。
どんな考え方で、ハンドル長さをチョイスしたらいいのか、私の意見をまとめます。
ロングハンドル化、ショートハンドル化による効果
まずは、ハンドル長変更による影響を、出来るだけ簡潔に分かりやすくまとめました。
ショートハンドル | ロング ハンドル |
|
巻き取り スピード |
UP | DOWN |
巻き取りトルク | DOWN | UP |
ショートハンドル化による効果
・手首巻きになる
・早巻きしやすい(高速回収しやすい)
・巻きが重くなる
・短い距離でより多くのラインを巻けるため、実質上のハイギア化に等しい
ロングハンドルによる効果
・肘巻きになる
・腕全体で巻けるので、トルクUP
・てこの原理が増えて、巻きが軽くなる
・ハンドル一周が長くなるため、実質上のローギア化
ギア比によって、適切なハンドル長がある
最も気を付けて欲しいのは、ギア比によって適切なハンドル長が有るという事。
例として、シマノの純正ハンドル長を見てみます。
ギア比5.2 | 76㎜ | カルカッタコンクエスト ノーマルギア |
ギア比6.2 | 84㎜ | メタニウムMGL ノーマルギア |
ギア比8.5 | 96㎜ | メタニウムMGL HG、XG |
ご存知の通り、ギア比が高いほど、長いハンドルが採用されています。
ギア比が高くなれば巻きが重くなるため、ロングハンドル化で巻き取りトルクをUPさせ補っています。

バランスが崩れる例
特に注意したいのは、ローギアリールの極端なロングハンドル化です。
バランスを崩してかえって扱いにくくなります。例を挙げて説明します。
ローギアに長すぎるハンドルは合わない

例えば、私のバンタムMGLのPG(ギア比5.5)に、LIVREのクランクフェザーハンドルの100㎜をセットしてみました。
純正のハンドル長は84mm。
前述したように、ロングハンドル化は実質的なローギア化となるため、スーパーローギア状態となります。
するとあまりに巻き感が軽すぎ、圧倒的ノー感じになってしまいます。
巻き物のブルブル感がほとんど感じられなくなり、正直やりにくい。

また、カルカッタコンクエスト101ノーマルギア(ギア比5.2)でも同様です。
純正があまりにも短い76mmという事もあり、違和感しかない。

ローギアリールをロングハンドル化する場合、おすすめは90㎜ぐらいまでです。
私のバンタムMGL PGは、いろいろ試した結果、Availのオフセットハンドル STi 2.5の90mmに落ち着きました。
ハイギアリールはロングハンドル化しても違和感少ない

逆にいって、ハイギアリールについてはある程度長いハンドルを許容するように思います。
100㎜のハンドル長も全く問題ない使用感です。
100mmオーバーは特殊な用途


とはいえ、ハイギアリールだとしても、100㎜のハンドル長はギリギリバーサタイルに使える長さ。
正直、ジグの回収などで早巻きをするとちょっとかったるい。
それ以上の長さのロングハンドルは、ディープクランクなど極端に巻き抵抗の強いルアーを一日巻き続ける、などといった特殊用途だと思っていいでしょう。
まとめ
以上、リールカスタムにおけるハンドル長さについての考察でした。
5㎜ぐらいの違いでも、かなり使用感に差が出るのが奥が深いところです。
ikahimeを最後までお読みいただきありがとうございました。
