シマノ[SHIMANO]の’17アルテグラがリリースされました。
旧’12アルテグラは、ヴァンキッシュ譲りのマグナムライトローターを搭載。尖った廉価機として存在を確立していました。
しかし新型は劣化とも言えるモデルチェンジにがっかり?
価格の近い、’16ナスキー、’15ストラディックと比較し、その真価を考察します。
目次
シマノ [SHIMANO] NEW ’17アルテグラ
出典:SHIMANO
まずはざっくりと、’17アルテグラの特徴をまとめます。
進化した部分
亜鉛ギアがHAGANEギアにグレードアップ★
17年のモデルチェンジでSHIMANOリールから亜鉛ギアが一掃され、最廉価モデルのセドナやサハラでさえHAGANEギア搭載になりました。
もちろんアルテグラにも搭載。
「HAGANE」ギアと言っていますが、「鋼鉄(こうてつ)」ではありません。
SHIMANOのカタログの「HAGANE」の紹介ページの右下に小さく、
「HAGANE」は当社製品のイメージをお伝えするためのキーワードであり、実際に鋼鉄等の鉄材料を使用しているわけではありません。
とありますw
アルミ合金製の、密冷間鍛造ドライブギア(CFギア)、というのがその正体。
ギアが軽くて強いのが、当たり前になった、という事ですね★
クイックレスポンスシリーズから、コアソリッドシリーズに
’12アルテグラの最大の特徴であった、ヴァンキッシュを筆頭としたクイックレスポンスシリーズとしてのラインナップ。
巻き出しの軽さを優先したシリーズで、その下端を担う役割を果たしていました。
しかし今作からはステラを筆頭としたコアソリッドシリーズに路線変更。こちらは巻きごこちの滑らかさやしっとり感を重視したシリーズです。
残念な部分
ワンピースベール非搭載
新しい’17アルテグラにおいて、最も残念な点は、「ワンピースベール」が非搭載である、という点。(写真は美しいステラのワンピースベールw)
「ワンピースベール」とは、一体構造のベールの事で、ベールが1つの部品から構成されています。
これにより、ラインが干渉するベールに段差が無くなり、ラインへの負担が軽減され、糸ヨレやライントラブルの軽減に効果を発揮。
旧モデルの’12アルテグラでも非搭載でしたが、’16ナスキーとの差別化を図るという点でぜひ搭載して欲しかった部分。
重くなった
さらに、’12アルテグラと比較して、番手にもよりますが、自重が重くなりました。
’12アルテグラは樹脂ボディと、CI4+製のマグナムライトローターの仕様。
’17アルテグラは樹脂ボディと、高強度樹脂製となり、マグナムライトローターが廃止されました。
先述したように、設計思想が「クイックレスポンス」から、「コアソリッド」へと変更された影響でしょうか。
しかし’17NEWモデルの中で、重たくなったリールはアルテグラぐらいです..
シマノ[SHIMANO] ’12アルテグラ
さて、NEW’17アルテグラの特徴をご紹介したところで、旧’12アルテグラがどのようなモデルであったのか、おさらいします。
クイックレスポンスシリーズ
旧’12アルテグラ最大の特徴は、「クイックレスポンス」シリーズとしてのラインナップ。
他のリールは、ヴァンキッシュ、ストラディックCI4+などがあります。
ヴァンキッシュ譲りの軽量CI4+製マグナムライトローターを搭載。
軽量設計
実売価格が1万ちょいのバリュー機種ながら、際立つ軽量設計がウリ。(一例として、C2000Sで190g)
その軽さや、軽い巻きだしから、バス、エリアトラウト、ソルトならアジやメバルなどのライトゲーム用入門機として最適な存在でした。
廉価モデルながら、クイックレスポンスシリーズの下端を担う役割としてその存在意義を発揮していたのが’12アルテグラです。

シマノ[SHIMANO] ’16ナスキーとの違い
さて、ここからは’17アルテグラ購入検討の際に迷う、’16ナスキーと、’15ストラディックとの違いをまとめます。
’16ナスキーとの違い
・ベアリング数(S-ARB)
・軽量番手の自重(C2000S同士の比較。’17アルテグラは190g、’16ナスキーは220g)
・ハンドルが’17アルテグラはねじ込み式、’16ナスキーは共回り式。
目立つのはそんなところ。ほかにも各部の精度などが違う可能性もあります。
’16ナスキーと似ちゃった
旧モデルはナスキーとは明確に違う立ち位置を持つ尖ったリールでした。
しかし今回の’17アルテグラは、モデルチェンジを経て、’16ナスキーに極めて近いリールになってしまいました。
どこで選ぶ?
この2機種から選択するときのポイントは、ナスキーの「共回りハンドル」が許せるかどうか、という点。
「共回りハンドル」のリールは、長く使用するとハンドルのガタツキが出やすいです。
それから、大きく差のつく自重を考慮します。感度や疲れの軽減に、自重の違いはかなり効いてきます。
さらに、’17アルテグラでは、S-ARB(防錆ベアリング)がラインローラーに搭載されているため、ソルトで使用する場合、’17アルテグラを選択するのがベター。
シマノ[SHIMANO] ’15ストラディックとの違い
お次は、’15ストラディックとの違い。
’17アルテグラと、’15ストラディックとの違い
・ワンピースベール
・HAGANEボディ
です。どちらもストラディックのみ搭載。
ワンピースベール
ワンピースベールは、上述した、一体成型のベール。
「HAGANE」コンセプト
ストラディックの最大のウリは、金属ボディを採用し、「HAGANE」コンセプトによる設計思想であるということです。(アルテグラは樹脂)
HAGANEギア(アルミ合金製)、HAGANEボディ(アルミハイブリッドボディ)を採用し、高い剛性感や耐久性、シルキーな巻き心地などを実現。
「HAGANE」思想は、ここ近年のSHIMANO製リールの最大のセールスポイントであり、それらを完全に実装しているのが、スタンダードスピニングであるストラディックという訳です。
「HAGANE」思想の恩恵を余すことなく享受したい場合、「ストラディック」をチョイスするのがベター。
ルックスはGOOD


見た目はなかなか精悍で、カッコイイだけに惜しいリールです…
ちなみに余談ですが、ベールはストラディックのモノを移植してワンピースベール化も出来るようです。
ただし部品代を考えると最初からストラディックを購入したほうが良い、ってなりますw
あとはフルベアリング化したりと、カスタムの幅の広さという点では、廉価機ならではの楽しみ方もありますネ(*‘∀‘)
17アルテグラ用 ハンドルノブ2BB仕様チューニングキット (+2BB)
まとめ
’17アルテグラは、旧来の尖った個性を失い、その存在意義を失ってしまいました。
もちろん、’12アルテグラから5年経っている事や、コアソリッドシリーズへの設計変更により、巻き心地や、剛性は1クラス上に進化しているはずですが…
私ならちょっと頑張ってストラディックを購入します。
ikahimeを最後までお読みいただきありがとうございました。
バス釣りに使うご予定ですか?本当におススメなのはストラディックCI4+です…
