シマノ ’16ヴァンキッシュC2500HGSのインプレです。
下位機種である、コンプレックスCI4+との動的質感の差をまとめました。
目次
シマノ ‘16ヴァンキッシュC2500HGS インプレ

名機と名高い’16ヴァンキッシュのインプレッションです。私が購入したのは、C2500HGS。
1年以上使い込みました。
SPEC
モデル | ’16 Vanquish C2500HGS |
ギア比 | 6.0:1 |
スプール寸法(径mm/ ストロークmm) |
43mm/14.5mm |
最大ドラグ力 | 4kg |
最大巻上長 | 81cm |
ライン キャパシティ |
ナイロン 5-110,6-95,8-70 フロロ 4-130,5-100,6-80 PE 0.6-200 0.8-150 1-110 |
リール重量 | 175g |
ハンドル長 | 45mm |
ベアリング ボール/ローラー |
11/1 |
ディティール

全体の俯瞰図。シルバー×ゴールド×ネイビーのカラーリング。

ヴァンキッシュ、ステラのみに許されたチタン製ベール。ゴールドのアルマイトが目を引きます。

ラインローラー部。’16ヴァンキッシュの欠点としてよく言われているのが、このベアリング一体型のラインローラーの不具合(異音など)が起こるということです。
しかし、1年半程使い込んだ私の個体では決定的な不具合は生じていません。淡水オンリー(バス釣り)の使用ということも影響しているかもしれないですね。

ドラグノブのデザイン。少し派手目なデザインですが、操作感覚は非常に優れています。

ネジの露出が少ないボディ。高級機種ならではの意匠です。反対側のフタ部分も含め、全てマグネシウム合金製。
マグネシウム合金はベイトリールで言えば、メタニウムMGLやアルデバランMGLなどで採用されている金属です。
アルミ合金に比べ非常に軽く仕上がりますが、加工難易度が高いため、高価になる素材です。

ローターには、マグナムライトローターの刻印。CI4+と呼ばれる、カーボン繊維を混ぜた樹脂素材で軽量化。ストラディックCI4+なんかと同様の仕様ですね。
ちなみにステラのローター素材は、マグネシウム合金かジュラルミン製(番手によって違う)ですので、大きく違う部分。
軽量化や、巻き出しの軽さを重視した「クイックレスポンスシリーズの最高峰」という性格が設計思想に表れています。

ローター自重です。

スプール支え部分にはベアリングが仕込まれており、シマノが「リジッドサポートドラグ」と呼んでいる機構ですね。
スムーズなドラグ滑り出しです。ミドルクラスのリールはここが白いカラーに置き換わっています。

スプールの自重です。

ゴールドのアルマイト加工が施されたスプールは高級感がありますね。

スプールの切削加工は斜めに入っています。
また、ラインストッパーは白いプラスティックカラーが入ったシマノお馴染みのやつ。(白いカラーは外しちゃダメです)

CI4+素材を採用したハンドル。軽量かつ、カーボン繊維の質感が非常にかっこいいですね。
折りたたみ機構が無いため、ガタツキとは無縁の素晴らしい使用感です。

高級機種のみに許された、MADE IN JAPAN。
コンプレックスCI4+との違い

「巻き心地すげー!」とか書いてみても、そりゃそうだろ。的な感じになってしまうので、下位モデルであるコンプレックスCI4+と比較して、その質感の良さを検証します。
巻き心地

下位モデルと比較したときに、一番差がつくのは巻き心地。マイクロモジュールギアは素晴らしいですね。
コンプレックスCI4+が決して悪い訳じゃないですが、ヴァンキッシュの後に触ると不思議とザラついて、知らなきゃ良かった的な感じ。
シルキーな巻き心地は違和感を感じやすく、シャッドなど小型プラグを巻く釣りにも非常に適しています。
また、シマノベイトリールのマイクロモジュールギアでよく言われる、グリス切れ時の急激な巻き心地の劣化、という現象は、起こっていません。
おそらくスピニングリールの方がギアボックスの機密性が高いからだと思っています。つまり、スピニングリールのマイクロモジュールギアは、デメリットが少ないですね。
クイックレスポンスシリーズならではの、巻き始めの軽快感も非常に優れています。スッと軽い力で動き始めてくれる。
とは言え、私のヴァンキッシュはハイギア仕様のため巻き感はやや重ためで、少し相殺されている印象もあります。

高い組み付け精度

そしてベールを返したきや、巻き始めたときのかっちり感、など各部から感じる動作の質感もワンランク上。
たぶん組み付けを丁寧にやってるんだろうな〜。そう言う感じの高級感。JAPAN MADEは伊達ではないですね。
剛性感もGOOD

ボディ素材にフルでマグネシウムを採用しており、剛性感は非常に高いレベル。軽いのにかっちりしてます。
PE1号と、バンタム267MLというやや硬めのスピニングロッドに合わせ、パワーフィネス的使用をしました。
カバー周りにスモラバやノーシンカーワームでアプローチし、掛けたらカバーに巻かれないように、フルフッキング&ゴリ巻きですぐに引き剥がす必要のある釣りです。
PEラインと合わせて、非常にリールに負担がかかる釣りだと思いますが、全く問題なし。
ここは、やはりCI4+製(樹脂にカーボンを混ぜた素材)のリールと比べて、アドバンテージのあるところだと思います。
ドラグ性能

ドラグ性能も非常に優れています。私はバスだけではなくエリアトラウトも嗜むのですが、2.5lb〜3lbといった細糸ナイロンでも不安感が少ない。
やはりリジッドサポートドラグ(スプール上下の支えにベアリングを配置)機種のドラグ性能は、非常に素晴らしいですね。
ドラグ音はキンキンとやや甲高い音質ですが、うるさ過ぎず、適度な感覚で気持ちいいです。
飛距離
キャスト飛距離に関しては、コンプレックスCI4+やストラディックCI4+と比較して、特に優れているというわけではありません。
美しい

ゴールドの配色は好みの別れるところですが、個人的には決してやりすぎてない感じだと思いますし、ネイビーとの組み合わせが非常にエレガントな印象です。
こいつ…カッコよすぎるぞ。美しすぎるぞ。所有欲を満たしてくれて、満足感はハンパないです。
ヴィッツとマークXぐらい違う
コンプレックスとヴァンキッシュの違いを車で例えると、ヴィッツとマークXぐらい格が違う感じです。ヴァンキッシュは、ハイソな高級セダンですな。
ただ。コンプレックスにはコンプレックスの良さが有り、コンプレックス使えねー!とかそこまではいかない感じです。
欠点
ベタつくハンドルノブ

欠点らしい欠点はまだ見つかってないですが…強いて言えばハンドルノブの形状です。
コンプレックスも同じですが、ここだけ野暮ったいし、あのシマノ特有のノペッとしたベタ付く素材です。
高速回転させた時のノイズ感
新型の’19ヴァンキッシュと比較すると、スプールを高速回転させた時のノイズ感がやや大きいように感じます。
ノイズ、という程ではないのですが、シャーシャーとした回転音が少し大きめ。
とはいえ、’19ヴァンキッシュがあまりにも無音すぎるということもありますし、他のリールと比べれば非常に静かではあります。
また、通常ルアーをリグった状態では巻かないような高速回転をさせた時の話です。
’19ヴァンキッシュ インプレ
新型の’19ヴァンキッシュのインプレです。
さらなる軽量化を推し進めた新型ですが、質感はむしろ’16ヴァンキッシュの方が上だったかもしれません。
総評
総評すると、コンプレックスクラスのリールと比較すると、あらゆる面でワンランク上質で、価格分の違いを十分に享受出来るレベルです。
また、新型の’19ヴァンキッシュと比較すると、圧倒的な軽量感や、静粛性は’19ヴァンキッシュが当然上回っています。
でも、必ずしも’19ヴァンキッシュにこだわる必要はなく、中古で質の良いタマがあれば’16もまだまだ十分以上に現役ですし、素晴らしいリールです。
まとめ
以上’16ヴァンキッシュのインプレッションでした。間違いなく満足度高いです。
でもコンプレックスも、それはそれで価格以上の価値があるので、コンプレックスにしても後悔はしないと思います。
ただ、さらなる満足感が欲しければヴァンキッシュ、という感じですね。
ikahimeを最後までお読みいただきありがとうございました。
