クラッチは16メタニウムなどと同様…と思いきや、微妙に違うモノでした。
左が’16メタニウムMGLの純正、右が’16アンタレスDC純正です。似ていますがちゃんと専用設計です。
目次
メカニカルブレーキが内包
かなり特徴的なのが、メカニカルブレーキがA側サイドプレートに内包されて外側に露出していない、と言うことです。
正確に言うとメカニカルブレーキレス、と言うのが正しそうですね。
サイドプレートを外して見てみると、ピニオンギアの終端がサイドプレートに埋め込まれたボールベアリングに突っ込まれている感じです。
DCブレーキを常に最適な状態で使って欲しいため、とシマノは説明しています。
ユーザーとしては迷いがなく、イージーに最良の状態で使うことが出来るのでありがたいことです。
スプールのがたつきがなくなる瞬間のいわゆる「ゼロポジション」の少し手前、ごくわずかですがスプールが左右にガタつく位置に設定されています。
MADE IN JAPAN
MADE IN JAPANです。きっと、日本国内で優秀な組み付け職人が組み付けているのでしょう。(妄想)
適当な事を言っているわけではなく、初めてバラしてみたときにエントリーモデルと比べて明らかにグリスの塗りつけ方が丁寧で、ちゃんと組み付けている事が伝わる感覚がします。
18lbフロロラインでテスト
ここからはフィールドでのインプレッションをお伝えします。
せっかくブレーキモードがライン種別ごとに用意されているので、FL(フロロカーボン)、P(PE)、NM(ナイロンモノフェラメント)と全てのラインでテストしてみる事にしました。
まずはフロロカーボンです。ラインセッティングは18lbのフロロカーボンラインを、スプールエッジを2mmほど残して巻きつけました。
なんとかNM(ナイロンモノフェラメント)モードまで使えるのですが、最弱のX(エクストリームロングキャスト)はフロロカーボンでは厳しいかな、という印象です。
中量級ルアーの望外な扱いやすさ
37mm径という巨大なスプールを搭載しているので、重たいルアー向けのリールだと思いがち。しかし、いい意味で普通にバーサタイルなんですよね。
下は3/8oz(約11g)ぐらいまでなんら問題なく投げれますし、1/2ozぐらいからめっちゃ気持ちいい。
同じ150番サイズのスプールを搭載したバンタムMGLやスコーピオンMGL(遠心ブレーキ搭載機)と比べ、10g前後のルアーのキャストフィールはアンタレスDCが上です。
37mm径の大きなスプールを搭載しているのにも関わらず、です。
これはおそらく、DCブレーキのノーブレーキ制御の賢さに起因すると思いますね。
公式説明によると、遠心ブレーキは投げ始めから投げ終わりまで常にブレーキがかかり続けますが、NEW 4×8DCは、投げ始めにスプールがMAX回転まで上昇するタイミングを邪魔しないための「ノーブレーキ期間」を設けている、とのこと。
だから、おそらく37mmでも投げ始めから抜けるようなキャストフィールが味わえるんだと思います。
ただし、軽量ルアーをごく軽い力でキャストする際は、流石に37mm径スプールはもっさりします。
また、慣性で飛ばすタイプのスプールなので近距離ピッチングなどは不向きです。
ビッグベイト使用時の安定感
ビッグベイトをキャストした時の安心感は他のリールの追随を許さない素晴らしい出来です。
写真はDRTのクラッシュジョーカー(3oz Class)をキャストしましたが、やはり37mm径スプールとビッグベイトは相性バツグン。
3ozクラスのルアーを投げる時は、あまり振り抜きスピードは速くすることは出来ず、大きなキャストフォームで投げますよね。
そのためスプールの初速はそこまで上がらないマイルドなキャストになります。その時に37mm径スプールのゆったりした回り出しがマッチングして、いい仕事してくれます。
もちろんバンタムMGLでも投げれますし、剛性面では何も心配ないです。でも!やはり大きなルアーには大きなリールが合う。
空気抵抗の大きいルアー(アラバマリグなど)
きめ細かいブレーキ設定は、アラバマリグなど空気抵抗の大きなルアーを投げる時に非常に良い仕事をしてくれますね。
特にアラバマリグは自重が重たい上に空気抵抗が大きいというもっとも投げにくい部類のルアーなのですが、アンタレスDCであればストレスを感じる事なくキャストに集中出来ます。
ナイロンラインでのテスト
続いてナイロンラインでのテスト。ラインは耐摩耗性に優れたナイロンライン、GT-Rウルトラの16lbです。GT-Rウルトラは村田基氏プロデュースで、アンタレスDCに合わせるナイロンラインといえばコレ!という製品ですよね。
同一線径(同じ太さ)であればナイロンの方がlb数が強いため、例えば同じ16lbですとナイロンの方が細く、しなやかさも上回るためキャストフィールを向上させることが出来ます。
もちろん飛距離もナイロンが勝るため、アンタレスDCの遠投性能を100%発揮したいのであればぜひナイロンラインを合わせたいところ。
フロロラインではバックラッシュが多発してしまったX(エクストリームロングキャスト)モードも、外部ダイヤル8or7であればなんとか使える印象になりました。
(外部ダイヤル6以下はブレーキがあまりにも弱すぎて難しいですが…)
レイドジャパンのダッジ(1ozクラス)を投げてみました。
フロロの時よりもより弱いブレーキ設定が幅広く使えるようになるのは間違いないです。キャストフィールが圧倒的に向上し、とても気持ちよくキャストすることが出来ます。
アンタレスDCにはキャストの気持ち良さを最大限に味わうためには、ナイロンラインを使用することを強くお勧めします。
PEラインでのテスト(準備中)
PEラインでのテストは準備中です。
攻めた設定のX(エクストリームロングキャスト)
準備中です。(まだ使いこなせてない…)
デメリット
ウィークポイントを挙げるとすれば、整備性があまり良くないですね。ブレーキユニットとスプールを外すだけでもネジを3本外す必要があります。
また、メカニカルブレーキレス仕様でボールベアリングがサイドプレート内部に隠れているため、ピニオン支えボールベアリングへの注油もサイドプレートまで脱着する必要があります。
‘16アンタレスDC カスタム
‘16アンタレスDCのカスタムサンプル記事です。フラッグシップ機種にふさわしいカスタムパーツを模索しています。
‘19アンタレス インプレ
’16アンタレスとは全く違う「ライトバーサタイル」に仕上がっている’19アンタレスのインプレです。
まとめ
以上、シマノ ’16 アンタレスDC HG LEFTのレビュー(インプレ)でした。
- フラッグシップ機種にふさわしい、奥深いリール
- 意外なほどバーサタイルな37mm径+DCブレーキ
- 狂気のX(エクストリームロングキャスト)モードはキャスト技術を要求される
ikahimeを最後までお読みいただきありがとうございました。
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